幼児教育のひとつとして、「英語」があります。
小学校にも英語が取り入れられるようになった今、小さいころから英語を学ばせたい……と考える人も増えています。
ここでは
- 幼児教育として英語を取り入れることの必要性
- 幼児教育として英語を学ばせるのであれば、いつからが良いか
- 子どもにぴったりの英語の教材
の3つについて取り上げていきます。
【優勢】子どものころから英語教育を取り入れた方が良いメリット・必要性とは
「子どものころから英語を学ばせるべきか?」
「幼児教育として英語を習わせることは、良いことなのか?」
は意見が分かれるところです。
「まだ小さいころに英語を学ばせてしまうと、日本語とごちゃごちゃになり子どもが混乱する」
「実際に、海外で日本語と英語をミックスした状態で接していた子どもの場合、日本に返ってきてから授業についていくのが難しくなったケースもある」
などのような意見もあります。
これは幼児教育としての英語が持つ、負の側面だといえるでしょう。
ただこのような意見はあるものの、基本的には幼児教育としての英語に対してはメリットが多いと研究結果・肯定的な意見がよく出ています。
たとえば、神経科学者のジャクリーン・S・ジョンソンとエリッサ・L・ニューポートが出した研究結果があります。
これは、「英語以外を母国語とする子どもが、アメリカで住み始めた年齢によって英語の習熟度は異なるか」をみた研究です。
その結果として、3~7歳の幼児期にアメリカに住み始めた子どもの場合、英語を母国語とする人とほぼ変わらないレベルのスコアを記録するとしています。
しかし8~10歳では9割程度のスコアにとどまるようになり、11~15歳の場合は8割程度、そして17歳以降の場合は7割~8割程度にとどまるようになります。
言い換えるならばある程度年齢を重ねてからでも英語は学べるといえますが、それでも、ネイティブレベルの言語能力を習得するのはなかなか難しいということが明らかになっています。
また、日本に戻ってきてから英語を学ぶ場合でも、幼少期に英語を学んでいた人はそうではない人に比べて、メリットが多いし習得が早いとされています。
特に「話す」「聞く」の分野では、この影響は大きいとされています。
出典;幻冬舎「英語学習を始めるのに「最適な年齢」はあるのか…研究結果は?」
英語教育はいつから? 年齢について
- 「子どものころから英語を学ばなければ、落ちこぼれになる」
- 「英語は大人になってからでは絶対に身につかない」
とは決していえません。
ただ、ネイティブレベルの英語力を身に着けさせたいと考えるのであれば、幼児教育としての英語教育の必要性は高くなるといえます。
では、英語教育は何歳から始めたらよいのでしょうか?
これについては明確な決まりはありません。
そのため、諸説あります。
- 0~1歳のころからすぐに習わせる
- 3~7歳くらいから習わせる
- 10歳ころから習わせる
ひとつずつ見ていきましょう。
0~1歳のころからすぐに英語を習わせる
0歳~1歳のころは、英語を「言語」として知覚しません。
「音」として理解するのみです。
そのためこのころに英語教育をする必要性は薄いと感じる人もいるかと思われますが、「音として聞くことで、英語の発音に慣れ親しませることができる」とする説もあります。
日本語・英語の区別なく言葉を音としてとらえられるので、単語などを学習しやすいとする説があります。
3~7歳くらいから英語を習わせる
上で挙げた研究結果を踏まえれば、「3~7歳くらいに習わせれば、ネイティブスピーカーとほぼ変わらない英語力を持つことができる」といえます。
「小さすぎるうちから英語を習わせるのは、親の労力的にも経済的にも少しつらい」という場合は、3~7歳程度からでも英語教育は十分に間に合うでしょう。
10歳ころから英語を習わせる
生涯にわたって学習をし続けていくことになる私たちですが、その習得方法は年齢によって異なります。
0歳~9歳程度までの間は「体験的習得能力」が優れた状態にあります。
英語を聞くなどの経験によって学習していく力が優先されます。
しかしそれ以降は、論理的習得能力(文法などからの習得)が優先されるようになります。
このちょうど境目のあたりが、「10歳」なのです。
10歳のころは
- 「体験的な学習能力」
- 「論理的な能力」
がちょうど切り替わる時期です。そのため効率の良い英語学習が可能となります。
「何のために英語を学ぶか」によって「いつから英語を学ぶか」が変わってきます。
10歳を区切りとして英語を学び始めるのは、文法問題なども多く出題される大学受験を見据えた方法だといえます。
出典;KEC外語学院「『「外国人との会話練習」や「留学」だけでは語学を習得できない』という事実」
「この年齢から始めるのがベスト」と言い切ることはできません。
言い換えれば、何歳からであっても英語に取り組むことはできます。
お子さんの今の年齢や親御さんが割ける時間、経済的な事情、どのような英語学習を望むかを考えて決めていきましょう。
英語教育でおすすめの教材は?方法は?
ここからは、幼児教育として英語を教えていくうえでおすすめの教材をお伝えします。
音楽やCD
上でも述べたように、子どもは「音」による学習速度が非常に速い状態にあります。
そのため、英語の音楽やCDを毎日の生活のなかに取り入れることで、自然に英語に親しむことができます。
絵本
英語の絵本は数多く出ています。
英語を「文字」から学べる特徴を持っていますが、まだ小さいうちは親御さんによる読み聞かせの方がよいでしょう。
絵本の場合はお子さんの年齢や学習速度によって適宜選び分けられることが非常に大きなメリットとなります。
なお、小学校高学年~になった場合、日本語に翻訳された自分の好きな本を原書で読む……などの楽しみもできるようになります。
ゲーム性や運動を取り入れる
「運動を取り入れた英語学習は、英語の習得に役立つ」としているところもあります。
体を動かすゲームを英語でしていくことで、体も一緒に鍛えられるとしています。
ゲームによる英語学習は、子どもにとって
- 「良い記憶」
- 「楽しい記憶」
ととらえられることが多く、英語学習に前向きに取り組めるようになる効果があると考えられています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
英語の必要性が叫ばれるようになって、随分長い時間が経ちました。
海外との仕事が当たり前のものになった現在において、将来の選択肢を広める意味でも幼児期から英語に触れることを考えておくべきでしょう。